拳四朗 4回TKOでV6達成

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<プロボクシング:WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>◇12日◇エディオンアリーナ大阪

 

王者拳四朗(27=BMB)が、挑戦者の同級1位ジョナサン・タコニン(32=フィリピン)を4回1分0秒TKOで下し、6度目の防衛に成功した。

 

WBA同級王者具志堅用高の持つ日本記録「13連続防衛」の更新を夢見る京都出身の27歳。7度目の世界戦にして初の地元関西の試合で、現役の国内ジム所属王者で最長の防衛数を更新した。王者は16戦全勝(9KO)。

 

   ◇   ◇   ◇

拳四朗との統一戦の機運が高まるWBA同級スーパー王者京口紘人がリングサイドで観戦した。「今までは安定した戦い方でしたけど倒しにいっていた。でも、僕はあの方がかみ合う」と言い「勝てますよ」と、6月19日の自らの試合で言われたコメントを突き返した。統一戦も「気持ちは上がってくる。どっちが強いか決めたい」と歓迎。一方で拳四朗の控室に顔を出し、直接祝福を伝えるなど友好的にエールを交換した。

 

 

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村田諒太 2回TKOで王者返り咲き

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<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇12日◇エディオンアリーナ大阪

同級4位村田諒太(33=帝拳)が王座に返り咲いた。昨年10月、米ラスベガスで負けた王者ロブ・ブラント(28=米国)との再戦で2回TKO勝ちした。

 

背水の陣で臨んだリマッチだった。4月25日、都内のホテルで開かれたブラント同席による再戦の記者会見。「ボクにとって最後の試合になるか。それとも『もっと村田を見たい』と言ってもらえるかどうか。それをジャッジメントされる試合」と退路を断ち、リベンジに向けて集中していた。会見後には報道陣に「ブラントとは会いたくなかった。屈辱的な経験をさせられた相手を前に平常心な訳がない」と戦闘モードに入っていた。

 

昨年10月に米ラスベガスで臨んだ2度目の防衛戦で同級王座から陥落した。3度目の「ボクシング聖地」での試合で自身初の世界戦。メインイベント登場も初めてだった。プロボクサーとして夢の1つを実現したが、当時の同級1位ブラントに0-3の判定負け。ブックメーカーの予想も大きく覆す黒星には1カ月半前の高熱をともなう風邪による調整遅れがあった。村田本人は「完全に負けた」と一切の言い訳はしなかった。

 

王座陥落直後は「98%ぐらは、ほぼ辞めよう」と考えていた。しかし試合動画をチェックし「あのボクシングが集大成でいいのかと考えると『それはない』と思いました」。続いて周囲からの激励もあり、自然と現役続行に気持ちが傾いた。同12月には現役続行を表明。「世界王者にあって少し満足し、ハングリーさが欠如していた。新しい目標が見つかれば力がわいてくる。それを見つけたい」。

 

当初の再起戦の相手は元3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキンカザフスタン、現WBA1位)が候補だった。相手陣営に断られ、6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)を撃破したことで知られる元WBO世界ウエルター級王者ジェフ・ホーン(オーストラリア、現WBAミドル級3位)も浮上していたが、村田が契約を結ぶ米プロモート大手トップランク社のサポートで、2月に初防衛に成功したブラントとの再戦に決まった経緯がある。

 

リベンジという新しい目標ができれば村田の意識と集中力は一気に研ぎ澄まされた。「前と同じ試合をしたら負けるわけですから」と村田。他競技からの練習理論を見て吸収し、ジムワークでも元3階級制覇王者ホルヘ・リナレス帝拳)の実弟で元日本ミドル級1位カルロス氏をミット打ち担当トレーナーが起用。五輪金メダリストとしてアマ経験が長いだけに、コンディションさえ整えば、適応力はズバ抜けていた。

 

トップランク社から肝いりで派遣された3人の練習パートナーとの1日おきのスパーリングを消化。5月上旬から始まった本格的なスパーリングは130回を超えた。所属ジムの浜田剛史代表は「ここまで予定通りにいった調整はなかった。過去最高の状態」と表現した。リミットよりも200グラム少ない72・3キロで計量パスした村田も「すごく良いコンディションできています。プロにきて、これだけ自信あるのも初めて」とまで言うほどだった。

 

本人も納得の心身で立ったリング。国内所属ジムの世界王者による王座陥落後の即再戦で勝利した例は過去12戦で輪島功一の2度、徳山昌守の1度のみという勝率25%の「難関」だった。アマとプロで次々と快挙を成し遂げてきた村田は再び「難関」も突破し、リベンジを成し遂げてみせた。

 

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村田諒太 再起戦の相手はゴロフキンだった

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2度目のブラントVS村田戦が2日後に迫った。昨年10月、米ラスベガスでの第1戦から約9カ月が経過。

今度はボクシングWBA世界ミドル級4位村田諒太(33=帝拳)がホームの日本で挑戦する注目カードを「運命の再戦」と題し、3回にわたって連載する。

  

昨年12月に現役続行を表明した村田の再起戦の相手は当初、元3団体統一王者ゴロフキン(カザフスタン)だった。現3団体統一王者アルバレス(メキシコ)との2度目対決で惜敗していたが、以前から村田が対戦を希望していたミドル級のビッグネームだった

しかし交渉途中でゴロフキン陣営からロールス(カナダ)との再起戦を選択したとの連絡が入って断念。米メディアにはパッキャオ(フィリピン)撃破で知られる元WBO世界ウエルター級王者ホーン(オーストラリア)との対戦も報じられたが、米プロモート大手トップランク社からブラント戦を勧められたという。

 

ブラントは村田戦勝利後の今年2月、当時の8位バイサングロフ(ロシア)を11回TKO撃破。一気にファイトマネーが高騰したものの、帝拳ジムの本田会長は「トップランクの援助があったから」と明かす。これで感情移入しやすいリベンジマッチが組まれた。試合決定までの経緯も、ブラントとの再戦は運命的だったと言える。

 

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チャーロ兄 大差判定でV2達成

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 WBCミドル級正規王者のジャモール・チャーロ(米)が29日(日本時間30日)、米ヒューストンのNRGアリーナで挑戦者12位ブランドン・アダムス(米)に3-0判定勝ち。2度目の防衛に成功した。

 

 サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)が正規王者から“フランチャイズ”王者となり、双生児ボクサーのチャーロ兄は暫定王者から正規王者に昇格して初めての防衛戦となった。

 

 最終スコアは119-109、120-108×2。ダウンシーンはなし。地元のチャーロ兄はポイントこそ大差をつけたものの、格下のアダムスを相手に決定的な場面を作ることはできず、カネロ戦をアピールするようなインパクトのあるパフォーマンスは見せられなかった。

 

 試合後のインタビューで「アダムスはタフだった」と語ったチャーロ兄は29勝21KO無敗。世界初挑戦失敗のアダムスは21勝13KO3敗。

 

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井上兄弟のいとこ浩輝 「テッペンに取る」 初防衛戦に集中

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ボクシング日本スーパーライト級王者井上浩樹(27=大橋)が英グラスゴー遠征効果で初防衛成功を狙う。

 

7月1日、東京・後楽園ホールで同級8位池田竜司(24=竹原&畑山)とV1戦を控え、6月30日に都内の日本ボクシングコミッションで前日計量に臨み、井上はリミット(63.5キロ)、池田は200グラム少ない63・3キロでクリアした。

 

今年4月に同王座奪取後、5月にはいとこのWBAIBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)のワールド・ボクシング・スーパーシリーズWBSS)準決勝をサポートするため、一緒に英グラスゴーに遠征。バンタム級とダブル世界戦だったスーパーライト級WBSS準決勝を視察した。IBF同級3位のジョシュ・テイラー(英国)が同王者イバン・バランチク(ベラルーシ)に判定勝ちし、王座獲得した瞬間を見届けた。

 

井上は「ボクの足りないところをたくさん持っていた。自分ならこうするけれど、スタミナが持たないだろうなと思った動きを(テイラーは)最後までしていた。世界とはこういうものだと思いました」と振り返る。帰国後はスタミナ強化のために水泳トレなども導入し、ボクシングに対する姿勢にも変化があった。井上は「大橋(秀行)会長に『この間の試合をみて刺激を受けたな。単純だな』と言われて。本当に会長の言うとおりで。図星です」と触発されたという。

 

「コンディションはバッチリ。インパクトのあるボクシングを目指したい。上を行きたい気持ちもある。やるからにはテッペンを取りたいので」。いとこの尚弥、拓真の世界王者兄弟に続くため、まずは4月に奪ったばかりの王座の初防衛に集中する。

 

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村田諒太 ブラントへの雪辱まであと2週間 「早くリングにあがりたい」

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 WBA世界ミドル級タイトルマッチ(7.12エディオンアリーナ大阪)で王者ロブ・ブラント(米)との雪辱戦に挑む前王者の村田諒太帝拳)が27日、都内のジムでトレーニングを行った。

 

 試合まで2週間あまりとなった村田はカルロス・リナレス・トレーナーとのミット打ちや、リングにロープを張り、足首に重りをつけてのダッキング&ウィービングなど、基本的でありながら追い込んだメニューをこなした。

 

 今週から減量着を着て体重調整もスタートしたが「減量というより汗をかく量を増やしたくらいで、(本格的な)減量は1週間くらい。いつも早く落としすぎるので」と相変わらずウエートに問題はないようだ。

 

 精神的にも充実している様子で「早くリングに上がりたい気持ち」とも。「苦しみから早く逃れたいから早くリングに上がりたいのではなく、試合が楽しみだからリングに早く上がりたい」と付け加えた。

 

 取材のたびに「練習はうまくいっている」と話す村田について、帝拳ジム浜田剛史代表は「今回はいままでで一番いいスパーをしていますから。それは当然でしょう」と話した。

 

 今回の試合にあたり、村田はスパーリングを報道陣に公開していないが、浜田代表は「すべてのスパーリングが100%いいわけではない。ただ、たとえ疲れているときでも考えていることの何割かは出ている。たとえ悪い状態でも(途中から)いい状態にもっていける。これはいままでなかった」と評価した。

 

 村田が繰り返しているように、これが試合に出なければ意味はないが、「勝てるだけのスパーをしている」(浜田代表)のは確かのようだ。あす28日はブラントが来日。試合までいよいよ2週間となる。

 

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井上尚弥 「ドネアの左フックはあたらない」

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 ボクシングのWBAIBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)が25日、横浜市内で会見し、世界ベルト5本をお披露目した。5月のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズWBSS)同級準決勝では、米国で最も権威のあるボクシング専門誌「ザ・リング」認定ベルトが懸けられ、井上は2回TKO勝ちでエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)からIBF王座を奪取。主要4団体(WBAWBCIBFWBO)と同誌認定ベルトを合わせた5本を制覇したのは日本人初の快挙だった。

 

 今秋開催予定のWBSS決勝、5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)戦に向けて、すでに練習を再開。ドネア陣営から耐久力を疑問視されていることについて問われた井上は「多分、打たれ強いですよ」と自信を持って返答した。

 

 井上は、これまでの試合でまともにパンチをもらったことがない。未知の部分に対して、ドネア陣営が見出した意見だが、井上は「(スパーを)やってる感じでわかる。スパーでも効く人と効かない人がいるじゃないですか。(自分も)スパーでももらいますからね。クリーンヒットもらいますよ。そのダメージの感じでわかる。見えない(角度から)パンチをもらったら別ですけどね」と主張した。

 ドネアといえば、「フィリピンの閃光」と呼ばれるほど強力な左フックが最大の武器。井上は、相手陣営の「先にパンチを当てた方が勝利する」という見方についても語った。

 

「どっちかがいいパンチ当てたらありうる展開。もらうイメージは沸かないですけどね。(ドネアの左パンチは今までの相手で一番強い?)間違いなく強い。それをブロックの上なりもらってどう感じるかですよね。どの選手もそうですが、リング上がってみて、自分と対戦してどう変わるか。今まで映像を見て、対策を練っても、対戦相手が変われば変わる。ドネアに関しては、あの左を当てるのは得意中の得意。その分のキャリアもあるし、当て勘もある」

 父・真吾トレーナーは、ドネア戦でカギになるポイントを井上に確認。詳細は伏せたが「考えていることは同じだった」とプランは一致していたという。この日はミット打ちやシャドーで汗を流した井上。「決勝に向けて最高の結果を出せるように努力していく」と力を込めた。

 

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